ご挨拶

第37回日本ストレス学会学術総会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。今総会は新型コロナウイルスの感染状況を鑑みてWEB開催とし、総会テーマは「ナーシング・サイエンスとストレス」といたしました。

自明のとおり、“ストレス”は我々の暮らしのみならず、多くの学問分野におけるキーワードです。看護学分野に焦点をあてたストレスについて、医師、看護師、保健師、助産師、心理士、精神保健福祉士、教育・研究・管理に携わる方など多領域の方々と議論と認識を深めていくことを目的としております。

専門性の細分化に従い、看護学も複数の専門領域に分かれております。しかしながら、対象の気持ちに寄り添い対象理解からから始まる看護は、身体と知性のほかに自分の感情も職務の一部とせざるをえない感情労働の最たるものです。役割期待の度合いも過大であり、本質的にストレス過剰な職業の一つです。

近代看護学の創始者であるナイチンゲールは、病者は環境内存在であり、看護は新しい芸術であり新しい科学でもあると述べました。アートとサイエンス、いわば共感的理解と知性的理解を両輪として展開する看護は、対象のQuality of Lifeに関わります。看護専門職の実践や研究に対する考え方の変容が少なからずあったコロナ禍において、今一度看護におけるストレスの意味、ストレスが病む人・障害を有する人・健康な人に及

ぼすもの、看護学の教育・実践・研究におけるストレスについて学ぶ必要があるのではないかと考えました。
双方向ライブ配信による特別講演、教育講演、シンポジウム、市民講座のほか、オンデマンド配信による一般演題の発表を計画しております。多様な臨床とケア、当事者、異文化臨床、臨床倫理、現象学研究などアカデミックかつ臨床実践の知に繋がる示唆を得られる機会を提供できますよう運営委員一同で鋭意準備を進めてまいります。

研究遂行の変更を余儀なくされる、臨床現場でのケア提供の困難さによる身体的・精神的負荷がある、教育現場での教授形態の戸惑いを体験している状況などを推察しますが、総会テーマに限定せず多角的な視点からの研究や実践報告のご発表をお待ちしております。

WEB学会は、会場へ足を運ぶことは難しいという方も気軽にご参加いただけるメリットがございます。希望する演題のみを視聴するシステムもあり、総会後数日間の配信も予定しております。本学会の会員のみならず、保健医療福祉に関わる幅広い職種の方々のご参加を心よりお願い申し上げます。

 
 

第37回日本ストレス学会学術総会

大会長 水野 恵理子

淑徳大学看護栄養学部精神看護学 教授